
この分野の第一人者による初の論考集
開発教育の理論と実践
-グローバル社会正義のための教育学-
出版社:せせらぎ出版
著者:ダグラス・ボーン(Douglas Bourn)
訳者:湯本 浩之(ゆもと・ひろゆき)/奈良崎 文乃(ならさき・ふみの)
ジャンル
教育学/社会/環境
キーワード
開発教育/グローバル教育/グローバル・シティズンシップ教育/グローバリゼーション/シティズンシップ/社会正義/地球的課題/持続可能な開発/実践コミュニティ/社会運動/ネットワーク/ボランティア/批判的教育学/変容的学習/ポストコロニアリズム/開発NGO/キャンペーン/グローバル・サウス/植民地主義/パウロ・フレイレ
閲覧タイプ
販売サイト(POD版)
今日の世界では、拡大する経済的格差や政治的分断、さらには気候変動や地域紛争といった地球規模の問題の解決が急務となっている。こうした開発問題や環境問題の解決、そして公正で持続可能な社会の実現を目指す教育活動として、「開発教育」や「グローバル教育」が欧州諸国を中心に注目されてきた。本書は、この分野の第一人者による初の論考集であり、欧州や北米、日本など各国における開発教育の歴史やグローバル教育との関連、理論的背景、実践・政策の成果と課題などが紹介されている。筆者は、グローバル化が進む不透明かつ不安定な社会において、これからの教育のあり方やその課題を問い直しながら、グローバルな社会正義の実現に向けた教育学として、開発教育の理論と実践を再構築する意義と必要性を提起している。
〈目 次〉
- 日本語版への序文
- はしがき
- 謝辞
- 目次
- 略語一覧
- 用語に関する注記
- 凡例
- 第1部 開発教育の歴史と用語と構造
- 第1章 はじめに:開発教育との個人的な出会いとその存在理由
- 第2章 開発を学習することからグローバル学習へ
- 第3章 開発教育とは何か
- 第4章 ネットワーク、実践コミュニティ、それとも教育改革運動?
- 第2部 開発教育の理論
- 第5章 開発教育の理論形成に向けて
- 第6章 開発教育の教育学的枠組み
- 第3部 開発教育の実践
- 第7章 知識基盤の構築:開発を学習する
- 第8章 グローバル社会での学習と技能
- 第9章 NGO とより公正な世界のための教育
- 第10章 開発教育のインパクトと評価
- 第4部 グローバル学習の教育学
- 第11章 開発教育の中心に学習を据える
- 第12章 グローバル学習のための教育学
- 第13章 結びに代えて
- 索引
- 訳者あとがき
- 原著者紹介
- 訳者紹介
- 奥付
著者プロフィール
ダグラス・ボーン(Douglas Bourn)
- ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン教育研究院(UCL-IOE)教授(開発教育)。教育学博士(Keele 大学、1978 年)。主な経歴は、英国の開発教育協会(DEA、後にThink Global と改称)事務所長(1993~2006年)やUCL の開発教育研究センター(DERC)所長(2006~2024 年)のほか、『開発教育グローバル学習国際ジャーナル(International Journal of Development Education andGlobal Learning)』編集長(2008~2018年)、グローバル教育学習学術ネットワーク(ANGEL)会長(2017~2024年)など。グローバル・シティズンシップ教育や持続可能な開発のための教育(ESD)の分野では、英国政府の顧問や諮問委員会の議長を務めたほか、日本、韓国、インド、米国、カナダ、ドイツ、スウェーデン、ポルトガルなどで開催の主要な国際会議での講演多数。
- 開発教育および関連分野に関する主な著作は、次のとおり。
- Development Education: Debates and Dialogues (2008)、Theory and Practice of Development Education (2015)、Understanding Global Skills for 21st Century Professions (2018)、Bloomsbury Handbook for Global Education and Learning (2020)、Education for Social Change (2022)、Pedagogy of Hope for Global Social Justice (with M.Tarozzi) (2023)、Research in Global Learning (2023)。
翻訳者プロフィール
湯本 浩之(ゆもと・ひろゆき)
- これまで国際協力や開発教育に関わる市民社会組織(現在のNPO法人国際協力NGOセンター〔JANIC〕や認定NPO法人開発教育協会〔DEAR〕など)の役職員を務めたほか、大学の専任教員(宇都宮大学)や非常勤講師(早稲田大学や上智大学など)として、開発教育やグローバル教育、持続可能な開発目標(SDGs)や持続可能な開発のための教育(ESD)、国際協力やNGO 活動などに関する授業を担当。また、自治体、教育委員会、各種団体などが主催する講座や研修会の講師として、国際理解や国際協力、人権や異文化間理解などに関する学習プログラムを企画運営。
- 開発教育に関わる主な著作には『SDGs時代の地理教育』(共編著、学文社、2024年)、『グローバル時代の「開発」を考える』(共編著、明石書店、2017年)、『SDGsと開発教育』(共編著、学文社、2016年)、『グローバル・ティーチャーの理論と実践』(ミリアム・スタイナー編、共監訳、明石書店、2011年)などがある。
奈良崎 文乃(ならさき・ふみの)
- 公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン職員。認定NPO法人開発教育協会(DEAR)常任理事。東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻「人間の安全保障」プログラム在学中。
- アジア・アフリカ・中南米の地域開発支援や日本における開発教育を担当し、子ども参加やジェンダー平等に向けた活動に取り組む。
- 主な著作には『ガールズ・レポート2024~女の子・ユース女性が声を発するために必要なこと~』(プラン・インターナショナル・ジャパン、2024年)、『わたしは13歳、学校に行けずに花嫁になる。』(共著、合同出版、2014年)、『創造的に対立解決:教え方ガイド』(リンダ・ランティエリほか著、共訳、開発教育協会・立教大学ESD研究センター発行、2009年)、『参加型開発による地域づくりの方法』(ソメシュ・クマール著、共訳、明石書店、2008年)、『グローバル・クラスルーム』(デイヴィッド・セルビー、グラハム・パイク著、共訳、明石書店2008 年)などがある。