
「生かされた意義」を見つめ直す体験談
28歳からのリ・スタート
出版社:せせらぎ出版
著者:髙野 直也(たかの なおや)
ジャンル
エッセー・随筆/ノンフィクション/闘病記
キーワード
脳幹出血/リハビリ/闘病/社会復帰/脳卒中/不随/麻痺
閲覧タイプ
販売サイト(POD版)
内容紹介
著者は28歳のときに脳幹出血を発症し、一時期は寝たきりとなり、生死をさまよいました。半年の入院の後、つらいリハビリ生活を経て、いまは社会復帰を果たしています。本書は闘病生活やリハビリ、そして社会復帰までの経験を当事者の立場から綴ったものです。同じような境遇の方々や医療関係者の方々に読んでいただきたく、執筆・発行いたしました。
以下は本文からの抜粋です。
「タイムマシーンができて過去に戻れるならどれだけいいか!」なんてことをずっと考えていた時期もありました。でも、もちろんですがそんなことは絶対に無理なことなのです。残念ですが、どうあがいても変えることができない事実なのです。それならば、自由に動けていた「28歳までの自分」というのはもう捨てて、今の自分の状態から人生をもう一度スタートしていこうと思ったのです。
〈目 次〉
- はじめに
- もくじ
- 第1章 私と病気の突然の出会い
- 自分自身で診断した「風邪気味」
- 麻痺の始まり
- なんでやねん!
- すべてが真っ白!
- 自分ののんきすぎる性格!
- 第2章 突然始まった入院生活(集中治療室編)
- 集中治療室でのつらかったこと
- 夢と現実の狭間 Part1
- 夢と現実の狭間 Part2
- 夢と現実の狭間 Part3
- 夢と現実の狭間 Part4
- 生まれ変わったら!
- 「平凡な生活」とは実は幸せなこと!
- 第3章 突然始まった入院生活(一般病棟編)
- やはり意識はハッキリしていなかった
- 聞こえる音が増えた!
- 人形と同じ
- 父母のつらさ・苦しさは本人以上!
- 何一つ、自分でできないもどかしさ、苛立ち
- 苦悩の歯磨き
- 笑顔を見せてくれている母の姿を見るのがつらい
- 顔の歪みを初めて見た!
- 「できない」ではなく「やらない」
- 車いすのこぎ方、そして目線の変化
- 初めて味わった自分の身体に対しての絶望感
- 話すことにも影響があった
- 不思議な舌の麻痺と歯の痛み
- 当たり前のことができるというのは本当に幸せ
- 「喜び」の力
- 感謝しても、しきれない感謝
- 「会う・話す」ことへの嫌悪感
- 「将来」に目を向けることができた「一通の手紙」
- 大事な「ただの1回」
- 我慢せずに素直な気持ちを伝える
- お見舞い品
- 1ヵ月ぶりの洗髪
- いやいやでも繰り返せばよい
- 「世間から取り残された」と感じる時間帯
- 回復期病棟への憧れ
- できないことをやる=リハビリ
- 「焦り」を持てばまちがいなく逆効果
- 私の後遺症!
- 使える部分や感じる部分に感謝する
- あと一歩まできた「回復期病棟」
- 一般病棟でのまとめ、そして回復期病棟へ!
- 第4章 突然始まった入院生活(回復期病棟編)
- 他の患者さんの顔が「前を見ている顔」だった!
- 同じ境遇の人と接する大切さ
- 初めて生きていることに感謝!
- 寂しくて涙が出たサッカーW杯観戦
- 「健康」はもらえないし買えない!
- うれしさ半分、悲しさ半分、そして脱皮
- やらなければいけないことをやらないのは「自分自身」を見捨てた証拠
- 何かにすがる思い
- トイレに行くことがイヤ
- 現状を認めること=身体障害者手帳
- 失敗から得られる「真の成功」
- 自宅に帰りたくない 今すぐ病院に帰りたい
- 4ヵ月で変わった自分の「帰る場所」
- 初めての外泊で突きつけられた「現実」
- この世に一人しかいない「兄」と弟
- 「病院化」から「自宅化」に
- 自宅で生活していくこと自体がリハビリ!
- 〝意地とプライド〟と誕生日!
- 複雑な退院日
- 第5章 少し山ありほとんど谷ありのリハビリ生活!
- 入院中は「天国」 退院後は「地獄」
- 真のリハビリとは?
- 雨にも負けず風にも負けず!
- 絶対に言ってはいけない言葉
- 「悔しさ」の使い方で決まる「勝ち組・負け組」
- 無駄だと思っていたことが「成功」へとつながっていた
- 自身の「我」を貫く
- 「努力」から得る大切なもの
- まわりの方々によって生かしてもらっている
- 第6章 現在の自分
- 身体障がい者としてチャレンジした「就職活動」
- 外の世界(社会)に出れば得られることだらけ!
- 病気をした経験は私の財産、そして私は幸せ者
- 本当の友達とは?
- 絶対諦めない・絶対満足しない
- あとがき
著者プロフィール
髙野直也(たかのなおや)
- 1977年7月21日大阪府生まれ。2006年1月、脳幹出血を発症。ICU(集中治療室)を含め6か月間の入院生活を経て、退院後、約3年半のリハビリ生活を過ごす。現在も右半身感覚麻痺などの後遺症が残っているが、2010年に病院の事務職として社会復帰を果たす。そして事務職の仕事と並行しながら、同じような境遇の方々を応援するため、また、医療関係者の方々に当事者の気持ちを伝えるため、自身の発症からリハビリ、そして社会復帰までの経験を伝える活動をしている。