
小説にしてハイデガー哲学論考の書
生きてる意味、わかんねえ
~院卒ニートが『存在と時間』を本気で読み解く~
出版社:アットマーククリエイト
著 者:龍善(りゅうぜん)
ジャンル
文芸・小説/哲学・思想/評論・文学研究
キーワード
生きる価値/実存/ヤスパース/フランクル/神谷美恵子/生きる意味/ハイデガー/生きがい/存在と時間/哲学/精神医学
閲覧タイプ
リフロー〈文字サイズ可変〉|POD(プリント・オン・デマンド)
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内容紹介
東京郊外で一人暮らしをする独身の主人公・飯田渉(32歳)は、大学院の後期博士課程まで哲学を学んでいたが、就職もせず、ずるずると生きているうちに、次第に生きる意味を見失い、いわゆるニートになってしまった。そんな彼が、或る時、己が生きている意味を求めて、ニート生活と決別するためにアクションを起こす。その時、彼が出会ったのが、神谷美恵子の『生きがいについて』という本である。そしてその本が、今度は『夜と霧』で有名なフランクルの著作へと彼を導く。
渉は、そうした本を読むなかで、元々彼の中にあった熱い哲学徒としての魂が躍動し始め、ついには、難解な哲学書として知られるハイデガーの『存在と時間』に本気で向き合い、それと格闘する日々を送ることで自分が本当に生きている意味を希求するようになる。生きる意味を求めて奮闘する院卒ニートの生の軌跡を描くことを通じて、ハイデガーの『存在と時間』を小手先ではなく、真正面から徹底的に解き明かそうとする作品である。
電子書籍、オンデマンド印刷本でアットマーククリエイトから出版
〈目 次〉
- はじめに
- 目次
- 朝
- 神谷さん
- 神谷さんについてのノート
- フランクルについてのノート
- ハイデガー
- 『存在と時間』研究ノート序「存在とは何か?」という問い
- 現存在の実存論的分析論
- 世界内存在と開示性
- 気遣い(Sorge)
- 了解と世界の有意義性
- 情態性と被投性
- 意味と語り
- 公共性
- 空談と公共的被解釈性
- 文脈化―脱文脈化
- 「真理論」再考
- 了解における「意味」
- 他者の了解
- Woraufhinとしての「意味」
- 現存在の「気遣い(Sorge)」
- 不安
- 「世人とニート」
- 本来性と非本来性
- 死への先駆
- 良心と証し、先駆的決意性
- 〈私見・メモ〉死について(母の死とともに)
- 全体的な本来的現存在と時間性
- 時間性の脱自的性格
- テンポラリテート
- テンポラリテートは時間性ではないのか?
- 根源的時間性と本来的時間性及び非本来的時間性
- 世界時間(Weltzeit)から見えてくるもの
- 現存在の歴史性
- 結
- 『存在と時間』と後期ハイデガー哲学について
- ハイデガー哲学を巡る旅の終わり
- ヤスパース
- 方法論的自覚と『存在と時間』の真価
- ネイビーチェックの男
- おわりに
- 文献表
- 著者紹介
- 奥付
著者プロフィール
龍善(りゅうぜん)
東京都出身。東北大学大学院文学研究科哲学専攻修了後、実家の東京に戻り、東京の大学院博士後期課程に進学し、一貫してフッサール現象学の研究に専心する。しかし、博士後期課程在学中に、母が予後僅かな末期ガンの宣告を受ける。母の闘病そしてQOLをサポートするため、大学院を退学し、母の闘病を支える。しかし、無念にも母は他界。そうした酷烈な苦しみの中で、本当にリアルな「生と死」に対峙するようになる。これがキッカケとなって、大学などの研究機関から一切離れて「哲学」というものがリアルな社会の中で人々にとって、一体どのような意義、価値、力を持つかを模索、探究するようになる。学問としての哲学の強みは体感しつつも、一般社会で働くと、哲学の「て」の字も出てこない厳しい現実に直面し、しかし、だからこそ、この社会で「哲学」が人々にとって意義のあるもの、自己の生を豊かにするものであることを少しでも伝えたいという想いから、在野で哲学の研究をすることを強く決意する。そして現在も新しい哲学的課題を研究中である。ペンネームの龍善の「龍」という文字は、仏教の高僧で「空の思想」で知られる龍樹(ナーガールジュナ)に思想的に強い影響を受けたため、その「龍樹」に由来する。